「キャリアアップ助成金って誰がもらえるの?」
「正社員になったら自分にお金がもらえるの?」
そんな疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の方の処遇改善や正社員化を支援する国の制度です。
ただし、実際に助成金をもらうのは企業(事業主)であり、労働者本人に直接支給されるわけではありません。
この記事では、「誰が」「どんな条件で」キャリアアップ助成金を受け取れるのかを中心に、対象条件・申請手順・注意点を2025年最新情報でわかりやすく解説します。
キャリアアップ助成金とは?制度の目的と概要
厚生労働省が実施する雇用支援制度
キャリアアップ助成金は、厚生労働省が実施している雇用支援制度のひとつです。
目的は、非正規雇用(有期・パート・派遣など)で働く人のキャリア形成と雇用安定を促すことにあります。
制度の公式解説は厚生労働省の制度概要ページで確認できます。
非正規雇用労働者の処遇改善・正社員化を支援
企業が、非正規社員を正社員や無期雇用に転換したり、昇給制度を整備したりする場合に、
その取り組みを評価して国が助成金を支給します。
緑のポイント:
キャリアアップ助成金は「従業員のための制度」ではありますが、お金を受け取るのは企業側です。
企業(事業主)がもらえる助成金であり、労働者本人には直接支給されない
よくある誤解が「正社員になれば本人にお金がもらえる」というもの。
しかし実際には、企業が受け取る助成金の一部を人件費や待遇改善に充てる仕組みです。
事業主(会社・個人事業主)としての活用ポイントは、事業主向けの活用解説も参考になります。
赤の注意点:
従業員個人には助成金が直接振り込まれることはありません。
キャリアアップ助成金をもらえるのは誰?対象となる事業主の条件
雇用保険適用事業所であること
事業所が雇用保険の適用事業所として登録されていることが前提です。
正社員・パート問わず、雇用保険に加入させていることが条件となります。
就業規則や労働契約書が整備されていること
助成金は「法令を守る企業」にしか支給されません。
そのため、就業規則・労働契約書・賃金規程などが最新の労働基準法に沿って整備されている必要があります。
キャリアアップ計画を提出していること
助成金申請の第一歩が「キャリアアップ計画書の提出」。
事前に労働局へ提出し、計画の認定を受けてから制度を実施します。
赤の注意点:
計画書を出す前に正社員化などを実施してしまうと、助成金の対象外になります。
助成金不正受給歴がないこと
過去に他の助成金で不正受給を行った企業は対象外です。
また、税金や社会保険料の滞納がある場合も申請が受理されません。
対象となる労働者の条件
キャリアアップ助成金は、非正規雇用者を正社員・無期雇用に転換する場合などに支給されます。
そのため、対象となる従業員にも一定の条件があります。
有期雇用・パート・派遣社員などの非正規雇用者
対象は、正社員以外で雇用されている労働者です。
具体的には次のような働き方が該当します。
有期契約社員
パートタイマー
派遣労働者(派遣元・派遣先による)
雇用期間が6か月以上あること(正社員転換などの際)
正社員転換を行う場合、対象となる労働者は6か月以上継続して勤務していることが求められます。
過去に同一企業で正社員でなかった者
すでにその会社で一度正社員だった人は対象外。
新規に採用された非正規社員や、契約社員からの転換が対象です。
社会保険・雇用保険に加入していること
正社員転換や賃金改定などの支援を受けるには、社会保険・雇用保険の加入者であることが前提です。
キャリアアップ助成金の主なコース一覧と支給額
キャリアアップ助成金には、目的別にいくつかのコースがあります。
コースごとの最新の支給額や取組要件の整理は、コース別の要件・支給額ガイドが実務上の確認に便利です。
正社員化コース(有期→正規/無期→正規)
有期契約社員を正社員へ転換:1人あたり最大57万円(生産性要件満たせば72万円)
無期雇用から正社員へ転換:1人あたり28.5万円(同条件で36万円)
賃金規定等改定コース(昇給・賞与の制度整備)
非正規社員の基本給や手当の制度を整備して賃上げした場合
1人あたり最大2万5,000円×対象人数(上限あり)
健康診断制度コース/短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者に健康診断を実施 → 最大48万円
勤務時間を延長し社会保険加入 → 最大72万円
緑のポイント:
コースによって対象・金額が異なるため、会社の取組内容に合ったコースを選ぶことが重要です。
申請から受給までの流れ
ステップ①:キャリアアップ計画書を提出
助成金を利用するには、まず制度実施前に労働局へキャリアアップ計画書を提出します。
提出後、計画に基づいて制度を実施します。
ステップ②:制度の実施(正社員転換・昇給など)
計画書の内容に沿って、非正規社員を正社員に転換したり、賃金制度を変更したりします。
この実施内容が後に「実績報告」で審査されます。
ステップ③:実績報告書を提出
制度を実施したら、2か月以内に実績報告書を労働局へ提出します。
ここで、契約書・給与明細・勤怠記録などの証拠書類が求められます。
ステップ④:労働局の審査を経て支給決定
労働局の審査を通過すれば、指定口座に助成金が振り込まれます。
審査にはおおむね3〜6か月程度かかります。
申請期限と注意点(実施後2か月以内など)
各コースの申請期限は「実施後2か月以内」
期限を過ぎると支給対象外
書類不備や日付ミスも不支給の原因に
赤の注意点:
「計画書 → 実施 → 実績報告」の順序を守らないと、助成金は受け取れません。
助成金をもらうために注意すべきポイント
労働契約・就業規則の整備が必須
助成金の前提として、労働条件通知書・就業規則・賃金台帳が整っていることが条件です。
労務管理の基礎が不十分な場合は、専門家(社労士)に相談するのがおすすめです。
実施日・申請日の順序を間違えない(先に計画書提出)
実施前に計画書を出さないと、「事後申請」扱いで不支給になります。
雇用保険加入・勤怠記録など証拠書類を保管しておく
雇用契約書
勤怠管理表
給与明細
役職辞令・転換通知
これらを5年間保管しておく義務があります。
他助成金との併用制限に注意
同じ目的の助成金(例:正社員化支援など)は併用できない場合があるため、
事前にハローワークや社労士へ確認しましょう。
個人(従業員)が直接もらえる助成金との違い
キャリアアップ助成金は企業向け
キャリアアップ助成金は企業が申請・受給する制度であり、
従業員本人への直接支給は行われません。
個人が対象の「教育訓練給付金」や「職業訓練支援金」との違い
助成金の種類 対象者 主な内容
キャリアアップ助成金 企業(事業主) 非正規社員の処遇改善を行った企業に支給
教育訓練給付金 個人(労働者) 資格取得や職業訓練の費用を補助
職業訓練支援金 個人(求職者) 離職者が訓練を受ける際の生活費支援
緑のポイント:
労働者は直接お金を受け取ることはできませんが、
キャリアアップ助成金によって正社員化・賃上げのチャンスが生まれるという恩恵を受けられます。
まとめ:キャリアアップ助成金は“企業の成長と人材育成”を支援する制度
助成金をもらえるのは事業主(企業)
対象は非正規雇用者の正社員化や賃上げを実施した場合
労働者本人には直接支給されないが、待遇改善という形で恩恵がある
申請には「キャリアアップ計画書」提出が必須
期限・書類・順序を守ることが成功のカギ
緑のポイント:
キャリアアップ助成金は、企業と労働者双方にメリットをもたらす“成長支援制度”です。
早めに計画を立てて活用すれば、人材定着・モチベーション向上・経営の安定につながります。

