「開業届って、税務署に行かないとダメ？」
「ネットで完結できるって聞いたけど、どうやるの？」
そんな疑問を持つ個人事業主の方に朗報です。
2025年現在、開業届はスマホやパソコンを使ってオンラインで提出可能になりました。
紙の提出よりも早く、控えもデータで受け取れるなど、多くのメリットがあります。
本記事では、マイナンバーカードとe-Taxを使った開業届のネット申請方法を、スマホ・PCの両方からわかりやすく解説します。
開業届のネット申請とは？オンラインで提出できる仕組みを解説
ネット申請（e-Tax）の概要と特徴
「開業届のネット申請」とは、国税庁が提供するオンラインシステムe-Tax（イータックス）を使って、
「個人事業の開業・廃業等届出書」を電子的に提出する方法です。
緑のポイント：
国税庁公式サイトによると、e-Taxを利用すれば税務署に行かずに24時間いつでも開業届を提出できます。
従来の紙提出との違い
| 比較項目 | ネット申請（e-Tax） | 紙提出（税務署窓口・郵送） |
|---|---|---|
| 提出方法 | オンライン送信 | 持参または郵送 |
| 提出時間 | 24時間いつでも | 平日・窓口対応時間のみ |
| 控えの受け取り | 電子データ（PDF） | 返信用封筒または窓口受取 |
| 手間 | 少ない（自動入力あり） | 手書き・印刷が必要 |
| ミス防止 | システムが自動チェック | 自分で確認が必要 |
赤の注意点：
電子申請には「マイナンバーカード」や「電子署名」が必要です。準備を怠ると途中で手続きが止まってしまいます。
個人事業主がオンラインで開業届を出すメリット
- 税務署に行く必要なし（完全オンライン）
- 即日提出＆即時受付が可能
- 入力補助や自動計算機能でミスを防げる
- 開業freeeやマネーフォワード開業などのツールと連携できる
- 提出データを保存しておけば、確定申告時にも自動反映できる
詳しいネット申請の流れやツール連携方法は、弥生の開業届ネット申請ガイドでも実例付きで紹介されています。
ネット申請に必要な準備物【事前チェックリスト】
ネットで開業届を出す前に、以下を準備しておきましょう。
① マイナンバーカード
電子署名に必須です。まだ持っていない場合は、申請から受け取りまで約2〜3週間かかります。
カードの有効期限や暗証番号（署名用電子証明書の4桁＋6〜16桁）も事前に確認を。
② ICカードリーダー or スマートフォン
マイナンバーカードを読み取るために必要です。
- iPhone（iOS 13以降）やAndroid（対応機種）はスマホだけで完結
- PCの場合は、ICカードリーダー（公的個人認証対応）を利用します
③ マイナポータル・e-Taxアカウント
マイナポータル：マイナンバー関連の政府共通サイト
e-Tax：国税庁の電子申告・納税システム
両方を連携設定しておくと、ログインや署名がスムーズです。
④ 開業freee・マネーフォワード開業などのツール
これらのツールを使うと、質問に答えるだけで開業届が自動作成できます。
そのままe-Tax連携で送信可能なので、初心者にもおすすめです。
【スマホ対応】e-Taxを使った開業届の提出手順
ステップ①：マイナポータルへログイン
「マイナポータル」アプリを開く → 「ログイン（スマホ用）」を選択 → マイナンバーカードをスマホで読み取る。
ログイン後、「e-Taxへ連携」ボタンを押して国税庁の画面へ進みます。
ステップ②：「開業・廃業等届出書」フォームを作成
e-Tax上で次の項目を入力します。
- 事業開始日
- 屋号（任意）
- 事業内容（例：Webデザイン業）
- 所在地・連絡先
- 従業員有無
緑のポイント： 開業freeeなどを経由すると、質問形式で自動入力されるためミスが少なくなります。
ステップ③：電子署名して送信
入力内容を確認後、スマホでマイナンバーカードを再スキャンして電子署名します。
そのまま「送信」ボタンを押せば、数秒で提出完了です。
ステップ④：控えデータの保存方法
送信後、「受付結果」ページにあるPDF形式の控えデータを必ず保存してください。
確定申告時や開業証明の提出で求められる場合があります。
クラウドストレージ（Google Drive・Dropboxなど）に保存しておくと安心です。
【パソコン版】開業届のネット提出方法（ICカードリーダー利用）
必要ソフト（e-Taxソフト・JPKI利用者ソフト）
パソコンで行う場合は以下をインストールします。
- e-Taxソフト（WEB版またはSP版）
- JPKI利用者ソフト（電子署名用）
書類入力～送信までの流れ
- e-Taxソフトを起動
- 「開業・廃業等届出書」を選択
- 事業情報を入力
- 電子署名を付与
- 送信して受付番号を確認
赤の注意点： Windowsのセキュリティ設定やブラウザの互換性でエラーが出る場合があります。
推奨環境（Microsoft Edge・最新版Java）を確認しましょう。
よくあるエラーと対処法
| エラー内容 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| マイナンバーカードが認識されない | ICリーダー接触不良 | リーダーを差し直し、別ポートを使用 |
| 電子証明書エラー | 有効期限切れ | 市役所で更新手続き |
| ファイル送信不可 | Java設定・ブラウザ制限 | e-Tax推奨環境に切り替え |
郵送・窓口提出との違いと比較表
| 項目 | ネット申請 | 郵送・窓口 |
|---|---|---|
| 所要時間 | 最短5分 | 1〜3日 |
| 受付確認 | 即時（受付番号） | 後日返送または押印控え |
| 費用 | 無料 | 切手代または交通費 |
| 利用環境 | スマホ・PC＋マイナンバーカード | 印刷・手書き |
緑のポイント： 2025年現在、ネット提出の利便性は圧倒的。特にスマホ対応が進み、初心者でも簡単に申請可能です。
詳しい手順は姫路税理士事務所の開業届ネット申請ガイドも参考になります。
開業届ネット申請後に行うべき3つの手続き
- 青色申告承認申請書の提出
青色申告を希望する場合、開業から2か月以内に提出が必要です。
e-Taxから同時に送信可能。青色申告を選ぶと最大65万円の特別控除が受けられます。 - 開業後の税務署・市区町村への届出
所得税関係届出書、個人事業税・住民税関連届出書など。 - 銀行口座・屋号登録の手続き
事業専用口座を開設する際、開業届の控え（PDF）が必要になる場合があります。
マイナンバーカードを利用した本人確認手続きについては、こまろぐの開業届×マイナンバーカード解説が参考になります。
まとめ：ネット申請でスムーズに開業をスタートしよう
- マイナンバーカード＋スマホがあれば、最短5分で開業届提出が可能
- e-Taxは無料・24時間対応で、紙提出より便利
- freee・マネーフォワード開業などのツールで自動入力・自動送信も可能
緑のポイント：
ネット申請を活用すれば、開業手続きは「税務署に行かず」「印鑑も不要」で完結できます。
赤の注意点：
電子証明書や暗証番号の有効期限切れには注意。提出前に必ず確認を。
「開業届の提出」は、事業のスタートを正式に告げる第一歩。
手元のスマホから、スピーディーでスマートな開業手続きを始めましょう。