【個人事業主・法人向け】融資利息の勘定科目と仕訳方法を徹底解説|経費にできるケース・できないケース

融資利息 勘定科目 2025

事業を続けていく上で、銀行や金融機関からの融資(借入金)は欠かせません。
しかし、「融資の利息はどの勘定科目で処理すればいいの?」「経費になるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、融資利息の会計処理・仕訳方法・経費計上の可否を、個人事業主・法人の両方の立場からわかりやすく解説します。
特に、支払利息の勘定科目やケース別仕訳の実例を押さえることで、日々の帳簿管理がぐっとスムーズになります。

融資利息とは?意味と会計上の位置づけ

融資利息とは、金融機関から借り入れた資金に対して支払う利用料のことです。
つまり、「お金を借りるためのコスト」であり、会計上は費用(経費)として処理されます。

融資の元金(借入金)は返済義務のある負債ですが、利息は期間対応原則に基づく発生費用として、発生した期間に応じて損益計算書に計上されます。
融資利息の会計的な位置づけについて詳しく知りたい方は、融資利息の勘定科目と仕訳の基本解説も参考になります。

借入金と利息の違い

まず明確にしておきたいのが、「借入金」と「利息」の違いです。

  • 借入金:返済すべき「元本」。会計上は負債(貸方残高)として計上。
  • 利息:お金を借りるための「費用」。会計上は費用(借方残高)として計上。

つまり、借入金自体は経費にならず、利息のみが経費になる点を理解しておきましょう。

利息が発生する仕組みと支払いタイミング

利息は通常、借入残高 × 利率 × 経過日数によって発生します。
支払は、毎月または半年ごとなど、契約内容に応じて行われます。

特に注意したいのは、会計上の発生時期と支払時期が一致しない場合。
たとえば、12月決算の会社で、12月分の利息を翌年1月に支払う場合は、「未払費用」として当期に計上します。

融資利息の勘定科目は「支払利息」|仕訳の基本

融資にかかる利息は、原則として勘定科目「支払利息」で処理します。
この科目は、会計上の基本的な分類としても非常に重要です。

「支払利息」勘定の概要と使い方

「支払利息」とは、借入金や手形借入などに対して支払う利息をまとめて処理する費用科目です。
たとえば、銀行からの融資利息、社債の利息、割引手形の利息などが該当します。

仕訳例:銀行借入金の利息10,000円を現金で支払った場合
借方:支払利息 10,000円 / 貸方:現金 10,000円

支払利息の勘定科目や仕訳処理の考え方については、支払利息とはどんな勘定科目?仕訳まで解説の記事でも具体的に確認できます。

「支払利息割引料」との違い

「支払利息」と似た勘定に「支払利息割引料」があります。
こちらは主に手形割引や売掛金ファクタリングなど、融資以外で発生する利息的コストを処理する際に用います。

会計ソフトでの入力例

クラウド会計ソフト(freee会計、マネーフォワード、弥生など)では、
取引登録画面で「支払利息」を勘定科目として選択し、支払先・金額・日付を入力すればOKです。

緑のポイント: freee会計では銀行明細と自動連携すれば、利息の支払いを自動仕訳として提案してくれます。
詳細は借入利息とは?仕訳に使う勘定科目や経費計上の可否を解説の記事で確認できます。

融資利息は経費にできる?できない?

ここが実務上もっとも重要なポイントです。

経費として認められる条件

融資利息が経費として認められるのは、事業のために借入を行った場合です。
たとえば以下のケースでは経費計上が可能です。

  • 事業用設備の購入資金として借入
  • 運転資金のための短期融資
  • 仕入代金や給与支払いのための資金繰り借入

これらはすべて事業活動に必要な費用として認められます。

経費にならないケース(私的利用・投資目的など)

赤の注意点: 次のような場合は経費になりません。

  • 個人的な住宅ローンや自家用車ローンの利息
  • 株式・不動産投資など、事業とは無関係な資金調達
  • 家族の生活費に充てた借入金の利息

このような私的利用部分は、税務上「必要経費」ではないと判断されます。

法人と個人事業主での違い

法人の場合、事業と私生活の区分が明確であるため、基本的にすべての借入金利息は損金算入(経費)が可能です。

一方、個人事業主の場合は、事業用と私的利用を明確に区分し、按分(あんぶん)処理が必要です。

融資利息の仕訳方法をケース別に解説

以下では、代表的な4つの仕訳ケースを紹介します。

  1. 短期借入金の利息を支払った場合
    借方:支払利息 3,000円 / 貸方:普通預金 3,000円
  2. 長期借入金の元利返済を行った場合
    元金部分と利息部分を分けて仕訳します。
    借方:長期借入金 97,000円
    借方:支払利息 3,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
  3. 利息を前払いした場合(前払費用処理)
    翌期以降分の利息を当期に支払った場合は、「前払費用」として資産計上します。
    借方:前払費用 5,000円 / 貸方:普通預金 5,000円
  4. 利息を未払いにした場合(未払費用処理)
    決算時に未払いの利息がある場合は、「未払費用」として計上します。
    借方:支払利息 5,000円 / 貸方:未払費用 5,000円

勘定科目選択の注意点とミスを防ぐコツ

  • 借入金自体は経費にならない
  • 利息と手数料を混同しない(保証料や事務手数料は別科目)
  • 利息の発生期間を正しく区分する
  • 自宅兼事務所など、個人利用が混在する場合は按分処理を行う

自宅兼事務所・個人利用が混在する場合の按分処理

たとえば、住宅ローンの一部を事業用に使っている場合、利息のうち事業利用分のみを経費に計上できます。

按分比率の決め方と仕訳例

事務所として使用している床面積割合(例:全体の30%)をもとに計算します。

借方:支払利息 3,000円(事業用30%分)
借方:事業主貸 7,000円(私的70%分)
/貸方:普通預金 10,000円

税務署に説明できる根拠の作り方

按分比率を算定する際は、平面図・使用状況・利用時間の記録など、合理的な根拠を準備しておくことが大切です。
税務調査で説明できるよう、計算根拠をメモや資料として保管しておきましょう。

融資利息の会計処理を正しく行うためのポイントまとめ

  • 「支払利息」は融資利息を処理する基本勘定科目
  • 事業用借入金の利息のみ経費計上可能
  • 私的利用分は按分・除外が必要
  • 決算時の未払・前払処理を忘れずに
  • 会計ソフトの自動仕訳機能を活用すると効率的

正確な勘定科目の選択と仕訳処理を行うことで、税務リスクを回避し、経営の透明性を高めることができます。

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