国家資格を有して税金に関する仕事を行う税理士。とても大変な仕事だと思われますが、いったい年収はどのくらいなのでしょうか。そこで、今回は税理士の年収について調べました。加えて、税理士として自分の収入を上げるために身に着けるべきスキルや能力などについても紹介していきます。
税理士の平均年収
厚生労働省が2018年に行った「賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は892万円でした。ただ、こちらは会計士と税理士が合算された統計であるためあくまで目安ということになります。日本の年収の平均値は450万円前後であることを踏まえると、相場より高水準だということが分かります。
若い世代はそもそも税理士の数が少ないことや税理士になったばかりであることが原因で、そこまで年収が高い訳ではありません。徐々に経験を積み自分で独立する税理士が増えてくる30～40代になると、年収1,000万円を超えるという人も。経験を積めば積むほど税理士としてのスキルが向上し、社会的な信用も得られてどんどん年収を上げられるという仕組みになっています。
税理士が年収を上げるにはどうすれば良い？
税理士が年収を上げるためには、まず税理士として優秀になることが大切です。税理士になるためには試験に合格しなくてはいけませんが、その他に2年以上の実務経験が必要です。まずは税理士事務所や税務署に勤め、税理士はどのような仕事をしているかということをサポートしながら学びます。
条件の良い税理士事務所に就職できれば、その分仕事数も増え給料も上がることが考えられます。ただ、大手の税理士事務所はその分倍率も高くなるため、自分の能力やスキルが高くなければ受からない可能性があります。上司・先輩から仕事のノウハウを伝授してもらい、しっかり習得してください。
独立することで年収を大幅に上げられることもある
税理士としての経験を積み、多くのクライアントから「この人に任せたい」と思われるような税理士になれたタイミングで独立を検討しましょう。税理士は、独立することで自分の裁量で仕事を取得できるようになります。自分の得意分野を活かして仕事を行い、自分のタイミングで仕事を進めることも可能になります。時間と依頼を自分で調整しながら、より適性を活かした仕事に従事することで高収入が見込めるというメリットがあります。
独立開業はどのような報酬で仕事を受けるか、いつ仕事をしていつ休むかということも自分で決められるため、とても自由度が高くなる点が魅力的です。一方、自分で税理士事務所を設立するとなると、税金に関する仕事以外にも経営や営業に関する知識・スキルが必要です。税理士として非常に優秀だからと言って、経営の知識がなければ事務所を運営してくことは難しいでしょう。
そして、クライアントと円滑にコミュニケーションをとる能力や自分を売り込むスキルがなければ、仕事を獲得できなくなってしまいます。独立は非常に夢や希望のあるものですが、厳しい現実が待ち構えていることも。独立開業にはリスクがつきものなので、自分1人で全てまかなっていける自信がないという人は、税務署や税理士事務所、企業の専属税理士など、雇われる側として働いて着実に年収を増やすという選択がおすすめです。
税理士として身に着けておきたいスキル
税理士は仕事の性質上、常に数字がついて回ります。現在は優秀な会計ソフトが多いため数学のスキルそのものはあまり求められませんが、数字を取り扱う仕事であることに変わりはありません。苦手意識や抵抗がない人が向いていると言えます。
コミュニケーションスキルが高い税理士は仕事も勝ち取りやすい
自分の考えを正確に伝える、相手の言いたいことを正しく汲み取るコミュニケーションスキルは、税理士として円滑に仕事を進めるうえで欠かせません。仕事柄初対面の人と関わることも多いため、誰とでも臆せず接していける能力は必要不可欠です。また、クライアントから依頼される前に自分から思ったことや気付いたことを積極的に働きかけることで、能力の高さが認められ信頼も増していくことが考えられます。積極的にコミュニケーションをとりましょう。
情報を正しく処理・整理する力
複数の案件を同時に処理したり、法律に違反しないよう納税手続きを進めたりと、複雑な仕事を正確にこなすのが税理士です。思い込みや見落としがないよう、書類や数字の情報を正しく整理して仕事を進めてください。
向上心は重要
税金に関する法律は細かく変わっていく傾向があります。そのため、常に自分の知識をアップデートしていく向上心は非常に重要です。古い情報のまま会計処理や税務処理を行ってしまうと、自分の信頼だけでなくクライアントにも迷惑がかかってしまいます。常日頃ニュースや税制度をこまめにチェックして時代の変化に対応していける人材が、税理士として成功できると考えられます。
まとめ
税理士の年収についてご紹介しました。税理士になることはとても難しく、そのため年収も高い傾向があります。そして、税理士として成功していくためには仕事に関する正しい知識の他にも、情報処理能力やコミュニケーションスキル、向上心など、様々な要素が重要なのです。現状に満足せず自分の能力を磨き続けて、一流の税理士を目指してください。
