【会計初心者向け】圧縮記帳の仕訳をわかりやすく解説|補助金を使った固定資産購入時の処理と注意点

圧縮記帳 仕訳 2025

補助金や保険金を使って設備を購入した際に必要になるのが「圧縮記帳(あっしゅくきちょう)」。
正しく処理しないと、思わぬ課税や税務リスクが発生することもあります。

この記事では、圧縮記帳の仕訳・会計処理・税務対応を初心者にもわかりやすく解説します。

1. 圧縮記帳とは?基本の意味を理解しよう

圧縮記帳とは、補助金・保険金・交付金などで取得した固定資産の帳簿価額を減額する会計処理です。

目的は、「二重の利益を防ぐ」こと。補助金を受け取って資産を購入すると、補助金がそのまま収益扱いになり、税金が増えてしまいます。
それを避けるため、同額を「損失(固定資産圧縮損)」として計上し、課税を繰り延べます。

  • 法人税法第42条に基づく特例処理
  • 会計上は「固定資産圧縮損」として特別損失に分類
  • 税負担を後ろ倒しにする「課税繰延効果」がある

圧縮記帳の概要や税務根拠については、OBC360°「圧縮記帳とは?補助金で取得した固定資産の圧縮損処理と会計対応を解説」でも詳しく紹介されています。

2. 圧縮記帳が必要になる代表的なケース

ケース 内容
補助金・助成金を利用して設備投資 例:ものづくり補助金、省エネ補助金で機械導入
保険金で資産を再取得 災害・火災の保険金で新しい建物を購入
公共補償金を受けた場合 公共事業の移転補償で土地・建物を取得

つまり、「他人資金(補助金・保険金など)」で資産を取得した場合は、圧縮記帳の対象となります。

3. 圧縮記帳の仕訳パターンを理解しよう

【1】補助金を受け取った時
(借方)現金       ×××  
(貸方)補助金収入    ×××

【2】固定資産を購入した時
(借方)建物(または機械等) ×××  
(貸方)現金         ×××

【3】圧縮記帳(減額処理)
(借方)固定資産圧縮損  ×××  
(貸方)建物(または機械等) ×××

圧縮損は損益計算書の「特別損失」に表示します。

補助金仕訳の具体例や消費税の扱いについては、

Invoy「補助金の勘定科目を解説!仕訳から圧縮記帳、消費税まで網羅」
が参考になります。

4. 圧縮記帳後の減価償却の注意点

圧縮後の資産は、減額後の簿価で減価償却を行います。

例:
補助金:50万円 / 資産購入金額:100万円
→ 圧縮後の簿価は50万円、減価償却もこの金額を基準に計算します。

つまり、初期は節税効果がある一方で、将来的には減価償却費が減るため、
長期的には税効果が相殺されます。

5. 圧縮記帳の方法【直接法と積立金方式】

圧縮記帳には主に2種類の方法があります。

  • 直接法(一般的):固定資産の帳簿価額を直接減額する方法。
  • 積立金方式:圧縮額を「圧縮積立金」として特別利益に充当する方法。

両者の会計処理と税務上の違いについては、マネーフォワード「補助金を受けたらチェック!圧縮記帳の適用条件・会計処理」が詳しく解説しています。

6. 税務処理と届出のポイント

圧縮記帳は任意適用ですが、税務上は次の手続きが必要です。

  • 法人税申告書の別表16・別表17で調整記載
  • 補助金の交付決定日・資産取得日を明確に区分
  • 補助金通知書・契約書・振込記録などを5年間保存

税務調査では、「補助金充当資産の特定」「金額の一致」が厳しく確認されます。

7. 圧縮記帳を行わない場合との比較

項目 圧縮記帳あり 圧縮記帳なし
補助金収入 課税されるが損失で相殺 そのまま課税対象
税金 一時的に軽減(繰延) 当期の税負担が増加
減価償却費 圧縮後の簿価で減少 元の簿価で通常償却
節税効果 短期的に大きい 長期的には同程度

圧縮記帳は「今期の税負担を軽くしたい」場合に有効です。

8. 圧縮記帳のよくある誤りと注意点

❌ 補助金対象外の資産まで圧縮してしまう
→ 補助金と資産の紐付けが不明確になる。

❌ 補助金と資産取得の時期を混同する
→ 補助金決定日と資産購入日のズレに注意。

❌ 仕訳を一部しか行わない
→ 「補助金=収益」「圧縮損=損失」は必ずセットで処理。

💡補助金対象外の経費(運送費・消耗品など)は圧縮対象外です。

9. 圧縮記帳のメリットとデメリット

✅ メリット

  • 税金の一時的な軽減(キャッシュフロー改善)
  • 補助金課税を繰り延べできる
  • 補助金活用後の資金繰りに余裕が生まれる

⚠️ デメリット

  • 将来の減価償却費が減り、効果が相殺される
  • 記帳・申告手続きがやや複雑
  • 書類不備や誤処理があると税務否認のリスク

10. まとめ:圧縮記帳は「正しく仕訳」すれば強力な節税ツール

圧縮記帳は、補助金・保険金を使った固定資産購入時に有効な税務調整手法です。

  1. 補助金を受け取る(収益計上)
  2. 資産を取得する(固定資産計上)
  3. 圧縮損を計上する(損失処理)

この3ステップを正確に行えば、安心して合法的な節税が可能です。

圧縮記帳は「税金の繰延=資金繰りの余裕」。正確な仕訳と申告をセットで行い、補助金活用の効果を最大化しましょう。

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